健康診断が終わって、検査結果の紙を渡された時。数字とアルファベットがずらっと並んでいて、「これは大丈夫なやつ?」「この矢印は何?」と、正直よくわからないまま持ち帰ったことはありませんか。
血液検査の結果は、獣医師が病気を診断するための材料であって、飼い主が自分で診断するためのものではありません。ただ、どの項目が何を見ているのかをざっくり知っておくと、診察室での説明が頭に入りやすくなりますし、次の健康診断とも比べやすくなります。今日は、シニア猫の血液検査でよく登場する項目を中心に整理してみます。
血液検査でよく見る項目
動物病院や検査の種類によって項目数は変わりますが、シニア猫の健康診断では、次のような項目がよく含まれます。
腎臓に関わる項目
- BUN(尿素窒素) 腎臓や食事内容の影響を受ける数値です
- クレアチニン(Cre) 筋肉量にも左右されるため、痩せてきた猫では見方に注意が必要と言われます
- SDMA 比較的早い段階の腎機能の変化を捉えやすいとされる項目です
肝臓に関わる項目
- ALT・ALP 肝臓の細胞や胆道の状態に関わる数値です
その他、シニア猫でよく確認される項目
- T4(甲状腺ホルモン) 食べているのに痩せる、というサインがある時に確認されることが多い項目です
- 血糖値 水をよく飲む、体重が変わったといった変化がある時に見られます
- リン・カルシウム 腎臓の状態と合わせて確認されることがあります
それぞれの項目が「高い」「低い」だけで一喜一憂せず、他の項目や猫の様子と合わせて見てもらうことが大切です。
正常値はあくまで「目安」
検査結果には基準範囲(正常値)が記載されていますが、この範囲は検査機関や測定方法によって多少幅があります。また、同じ猫でも体調や食事のタイミングで数値が動くことがあります。
「基準範囲から少し外れている=即座に異常」というわけではなく、逆に「範囲内だから完全に問題ない」とも言い切れません。数値の推移や、他の検査結果、実際の様子を合わせて総合的に判断されるものだと理解しておくと、結果を見た時の不安が少し和らぎます。
うちの17歳猫の場合
うちの猫は去年の健康診断で、クレアチニンの数値が基準範囲のギリギリ上のあたりでした。数字だけ見て「腎臓が悪いんだ」とかなり動揺したのですが、先生から「体重の変化や他の項目、SDMAの値も合わせて見ると、今すぐ治療が必要な段階ではなさそうです。次回の検査で数値の動きを見ていきましょう」と説明してもらい、少し落ち着きました。
その後は、次の健康診断まで飲水量や食欲を家で記録するようにしています。数値の意味を知っておくと、次にもらう結果を見た時に「前回よりどう変わったか」が自分でも追いやすくなりました。
結果を記録しておくと後で役立つ
血液検査の結果は、1回だけを見るよりも、時間の経過で比べることに意味があると言われます。次のような形で残しておくと、動物病院でも説明しやすくなります。
- 検査日と主要な数値をノートやアプリにメモしておく
- 結果表の写真を撮ってスマホに保存しておく
- 体重・飲水量など家での記録と合わせて見返せるようにしておく
猫の体調管理アプリの中には、健康診断の結果や体重の推移をまとめて記録できるものもあります。手書きのメモでも十分ですが、複数の猫を飼っている場合や記録が続けにくい場合は、こうしたアプリを使うと管理がラクになることがあります。
結果を見て気になった時は、遠慮せず病院に聞く
結果表を見て気になる数値があったら、その場で聞ききれなかったことも、後日電話や次の診察で確認して大丈夫です。「この項目はどういう意味ですか」「次はいつ頃また検査した方がいいですか」など、遠慮せず聞いてよい内容です。
数値の意味を飼い主が自己判断で決めつけてしまうと、必要な受診が遅れたり、逆に心配しすぎてしまったりすることがあります。判断は動物病院に任せて、飼い主は「変化に気づいて伝える」役割を担うくらいの気持ちでいると、気持ちが少し楽になります。
まとめ
シニア猫の血液検査結果は、BUN・クレアチニン・SDMAなど腎臓に関わる項目、ALTなど肝臓に関わる項目、T4や血糖値など、複数の項目を組み合わせて見るものです。正常値はあくまで目安であり、数値だけで判断せず、経過や猫の様子と合わせて動物病院に相談することが大切です。結果を記録しておくと、次の検査との比較がしやすくなります。


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