慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease)は、猫の腎臓の働きが時間をかけて少しずつ悪くなっていく病気です。
7歳以上のシニア猫の3〜4割が患うと言われ、猫の代表的な慢性疾患のひとつです。
腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分をろ過して尿を作る重要な臓器。機能が低下すると、尿毒素が体内にたまり、全身にさまざまな悪影響を及ぼします。
慢性腎臓病の初期症状は?
猫の慢性腎臓病は進行がゆっくりで、初期には症状がほとんど出ません。しかし、以下のような変化が見られたら要注意です。
よく見られる初期症状(ステージ1〜2あたり)
- 水をたくさん飲む(多飲)
- おしっこの量が増える(多尿)
- 食欲が落ちる
- 体重が減ってきた
- 元気がない・寝ている時間が増えた
中等度〜末期(ステージ3〜4)になると
- 嘔吐・下痢
- 脱水・便秘
- 貧血・痙攣
- 口臭(アンモニア臭)
- 食べ物や水すら受けつけなくなる
愛猫が慢性腎臓病になる原因ってなに?
猫の慢性腎臓病の原因は、はっきりとはわからないケースがほとんど(特発性)ですが、次のような要因が考えられています。
原因 | 説明 |
加齢 | 腎臓の自然な老化。高齢になるほどリスク上昇。 |
遺伝 | 一部の猫種(例:アビシニアン、ペルシャ)に好発。 |
食生活 | 長期的な栄養バランスの偏り、脱水など。 |
中毒 | ユリ、エチレングリコール(不凍液)、薬物など。 |
感染症 | 猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)など。 |
理由は、はっきりとはありません。どんなに予防したとしても腎臓病になる猫ちゃんもいます。大事なのは早期発見と、発見後に対策になるかと思います。
猫の慢性腎臓病(CKD)の初期で発見するためにやるべきこと
年に1度の血液検査・尿検査はできる限り行いましょう。年に1のワクチン注射の際に血液検査を行うなど、猫ちゃんにもストレスのない方法を選択してください。また、尿検査はかなりハードル高いかと思いますので、尿の取り方など、別途記事にまとめたいと思います。
腎臓病の対処法と治療方法は?
慢性腎臓病は完治が難しい病気ですが、適切な治療とケアで進行を抑え、猫のQOL(生活の質)を維持することが可能です。
方法 | 説明 |
療法食 | リン・タンパク質・ナトリウムを抑えた腎臓サポートフード。 |
水分補給 | ウェットフードやスープで水分を摂らせる。 |
皮下点滴 | 脱水や老廃物排出のために定期的に行う。 |
サプリメント | 吸着剤(リンを吸収)やビタミン、オメガ3脂肪酸など。 |
定期検診 | 数ヶ月おきの血液・尿検査で状態を管理。 |
まとめ
猫の慢性腎臓病は早期発見・早期対処が最も重要です。
愛猫の「ちょっと変だな」に気づくことが、健康寿命を延ばす大きな第一歩になります。
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